確かに。あの時の犯人は捕まった。
でも
「きょうやくんを置いて行ってしまったのは私です」
犯人が他にいても。
私にだって責任はある、罪はあるんだ。
「お前本気で好きなんだな、愁夜の事が」
フッと笑ってそれから立ち上がる。
「でも俺は愁夜を殺人犯にしたくない」
「そうですね。きっと先生の方が誰よりもあの人の事を想っていると思います」
これ以上話は進まなくて、取り敢えず
話を終えて保健室のドアを閉めた。
廊下は生徒達で溢れている。
これから部活に行く人、職員室に行く人。
帰る人。
みんなどんな気持ちで日々を過ごしているんだろう。
「話終わった?」
教室に一度戻ると真姫が私の席に座って待っていてくれた。
「ありがとう、待っててくれたんだ」
真姫にもまだ言ってなかったな。
死ぬなら、やり残した事がないようにしたい。
「真姫、話があるの」


