夢を見た。



暗闇の中、少女は泣きながら叫んでいた。


「私がみれいなんです!」と―――


そう言いながら...自分にナイフを向けていた。


「早く死ね」

「早く死ね」

「早く死ね」


少女を取り囲む人間は次から次へと少女の胸に
大きな刺が刺さることを望んでいる。


そう、俺だって奴らと同じだ。

死ぬほど、憎んでいるのだから。


愛する弟を失って、母親を死に追い込んだ張本人が

死ぬことを誰よりも望んでいる。


でも―――


その少女の姿に見覚えがあった。


あの顔は


あの泣き顔は


「君は―――」