ずーっと先に座っている二人を見つめながら

ふうっとため息をつく。


「取り敢えずは何とかなったね」

「そうだな」


あの保健室で別れた後、すぐに陸斗から連絡があって

この旅行の話を聞いた。

最初は驚いたけれど、でも二人がうまくいくなら..

それを望んで仕方なく、本当に仕方なく陸斗の提案に乗った。


「行くぞ」


そう言うと陸斗はグイッと私の腕を引っ張って
旅館の方に向かって歩き出した。

あーあ、もう少しだけ見てたかったのに。


でも

「美麗、元気になって良かった」