そう、だよね。
私嫌われてるんだもの、
早くいなくなった方がいいよね。
一つ大きく深呼吸をしてから
扉に手をかけようとした時
「やっぱり僕たちも行こう、散歩に」
先生からのお誘いがあった。
「海、すごいですね~」
旅館を出て下を降りると
すぐ目の前には海が広がっていて。
目の前にある景色のおかげで少しだけ涼しい。
息を吸うと潮の香りがする。
「あぁ、本当に」
横を歩く先生が、同じように海を見ながら答えた。
私達の住んでいる所はあまり海から近くなくて。
こういう所に来るのは本当に久しぶり。
ザーッという音も、波の動きも
新鮮でつい近付きたくなる。


