「....」
「....」


静かな時間が流れる。



お互い口も開く事無く、俺は外の景色を

彼女はまだ入口の所に突っ立ったまま。

違う場所を見ている。



いつもなら

「こっちにおいでよ」

なんて普通に言えるのに。

何を意識しているのか

なかなか言葉が出て来ない。

陸斗があんなこと言うからだ...


「それじゃあ私部屋に戻りますね」


視線を声の方に向けると既にドア付近に立っていて。

「あ、あぁ」

引き止めたいけれど、そうする勇気が出ない。