桜の花が舞う頃に



どうしても思い出してしまうんだ。


あの時の、あの子の泣き顔を。

別れ際のあの言葉。



「きっとその女の子も後悔してるはずです」


何か祈るような言い方。

それが

今でも胸を締め付ける。


「・・おい」


陸斗が何かを言いかけた時


「男共いるー?」


教師に向けているとは思えない声が聞こえた。


「おーいるいる、ってかさ、せっかく来たんだし散歩しようぜ」


起き上がった陸斗が芝崎さんに向かって行く。


「げ、あんたと?」

「不服か?」

「べ、別にいいけど」

「決まりだな!ってことで
俺達行くからお前らあと適当に宜しく!」


「ちょ、真姫」

「おい」


「じゃー後で」

僕と鷹野さんの言葉が言い終わらないうちに
陸斗と芝崎さんが
出て行ってしまった。