桜の花が舞う頃に


今も確実に芽生え始めているこの感情に
どうしていいのか分からないまま。


もしかしたら俺は逃げているのかもしれない。


「ヤキモチ焼いたくせに」

「は?」


またコイツはいきなり何を言うんだ?


「聞いたぜ?真姫から。
他校の男子に嫉妬してたって」

「僕が?まさか。そんなつもりで言ったんじゃない」

「へ~。じゃあ他の生徒でも同じ事すんのかよ」

「それは」

「・・まぁ、いいけどな」

何だよ、自分から言い出しといて、投げやりな言葉は。


「でもよ。謝っとけよ?アイツに」

「あぁ、それはもちろん」


いつでもあの子には笑っていて欲しいから。


「そういえば、アイツの方はどうなったんだよ」

「アイツって?」

「美麗、まさか忘れてねーよな」

「あぁ」

「見付けたのか?」


その質問に頭を左右に振った。


「お前にしては結構ゆっくりなんだな」

「別にそんな事はない。ただ」