そういうお泊りをした事はなかったし、
絶対に反対されると思っていたのに。

お母さんはすごく上機嫌で私を送り出してくれた。


お兄ちゃんには言ってない。

というかあれから喋ってない。


でもこれを機に少しだけ距離を置いたらきっと

いつもの兄妹に戻れるんじゃないかって

そう思う。




とにかく行けない理由が一つ減ってしまった私は

仕方なくこの旅行に参加することになった。


陸斗先生は何にも言わないし

それどころか

「旅行楽しもうなぁ~」

なんて呑気な事言ってる。


窓の外の景色は高速に乗ってるせいであまり楽しめない。

でもそこしか見る場所はない。

だって隣には...

先生がいるから。