「おはよう美麗」
校門から校舎までの長い道を歩いていると
聞きなれた声の主がポンと肩を叩いた。
「おはよう、真姫」
覗くようにして私を見る真姫にそう答える。
サラサラの背中まである黒い髪をなびかせ、
笑いかけるその姿は
まるで雑誌から飛び出してきたよう。
「今年も一年宜しくね!」
「こちらこそ」
真姫と初めて会ったのは高校入試の日。
席が前後になったのがきっかけで仲良くなった。
真姫も私も国立志望の為、クラスは一緒。
つまり今年もまた同じクラス。
それが結構嬉しかったりする。
仲のいい友達は他にいないから。


