こそっと耳打ちしてくる真姫の声が聞こえたのか


「カレシで~す」

おちゃらけた感じで答える恭哉くん。


「ち、違うでしょ、何言ってんの」

そう否定した私に

「あ、間違えた。もうすぐなるんだよな」

ぐいっと腕を引っ張られてすぽっと簡単に恭哉くんの胸の中に入る。


「きょうや...」

先生の少しだけ切ない顔。

それを見ていられなくてつい視線を逸らす。

そうだよね。先生の弟さんと同じ名前だもんね。

戸惑ってしまっても仕方がない。


「今からデートなんだ」

私と先生の気持ちなんかお構いなしに楽しげな声をあげる。



・・この人はホントに強引。


「だから!!」


「二人は、本当に付き合ってるの?」


突然の先生の質問に驚く。

どうしてそんな事聞くの?


「どうなの?」


私が答えないせいか先生が私の腕を掴む。