桜の花が舞う頃に



先生の二度目の突然発言にまたも足を止めてしまう。


「あの、先生?」

「なに?」

「分かってますか?」

「何が?」

「私、生徒ですよ?」

「うん、知ってるよ」

「いや、そうじゃなくて。
普通生徒を旅行に誘うなんておかしくないですか?」

「だって芝崎さんも一緒に行くみたいだし。俺としては
もう一人女の子がいてくれた方が助かる」


助かるって、そんな事言われたって・・


突然の話にどうしていいのか分からない。


これより先に進んじゃいけないって

頭の中で警告が流れる。


分かってる、分かってるけど。


「あ、それに僕は君の先生じゃないよ?」

「は?」

「前にも言ったでしょ?花見仲間だって」