着いた場所を見上げながら歩く速度を落とし、

一歩一歩、景色を楽しむかのように足を進める。



視線の先にはぽつぽつと咲き始めているピンクの花が
道の終わりまでずーっと続いている。


この桜並木は私が小さい頃から大好きな場所だった。


そして今でも一番のお気に入りの場所。


早く満開になればいい。

そしたらきっともっとキレイになるはず。


並んでいる木々に咲く満開の桜の姿を想像すると笑顔が溢れる。



「満開になるのはいつかな」



ぽつぽつと徐々に咲き始めている桜を見ながら
そう呟いた時に

一瞬だけ風が強く吹いた。


咲いた花びら達が風に揺られて空へと舞い上がっていく。


「あ」