空悟~大切な君~

金曜日に学校で俺は純太に旅行の事を話した。すると純太も父さんと同じように不思議そうな顔をした。
「珍しいな。海斗から旅行に行きたいなんて」
「そうか?たまには息抜きしなきゃな」
「ふ~ん」
もう俺に残された時間はないから、残りの時間を精一杯生きる。あとわずかの時間を。
「綾瀬君」
呼ばれて見ると、一人の女子が手にプリントを持って立っていた。
「綾瀬君、今日日直でしょ?これ先生に持って行ってくれる?」
「ああ、いいよ」