空悟~大切な君~

「兄ちゃん、空も行く」
また始まった。俺が一人でどこかに行こうとするといつも付いて来たがる。
「兄ちゃんは学校に行くから、空悟は連れて行けないんだよ」
俺の言葉が理解出来ない空悟は当然のように駄々をこねる。
「嫌!空も行く!」
「あのなぁ…。連れて行けないって言ってるだろ!」
俺が厳しく言った瞬間、空悟の顔がみるみる歪んでいき、最終的には。
「いやー!!あああああ!!」
泣き出す空悟。泣けば連れて行くと思ってんのか?
「いい加減にしてくれよ…」