空悟~大切な君~

そして純太は俺の肩をポンポンと二回叩き、
「もう少しだけ空ちゃんのわがままに付き合ってやれよ。お前は世界にただ一人の空ちゃんのお兄ちゃんなんだからさ」
もう少し…。もう少しってどれくらいなんだろうと思ったけど、純太の言葉に安心したのは確かだった。
俺は今まで、俺だけが不幸だと思っていた。けど、空悟は母さんがいなくなって凄く寂しいはず。まだ三歳だから、我慢なんて出来るはずもない。きっとすぐ泣くのは、寂しさと不安のせいなんだろう。