空悟~大切な君~

「海斗…」
純太が心配そうに俺の前に立つ。
「母さんが死んでから、俺も父さんもこんなに頑張ってんのに、あいつだけがわがまま言って…。まだ小さいから仕方ないって思うけど、それでも俺は我慢出来ないんだ。空悟の泣き声聞くたび、空悟なんていなくなればいいのにって思ってしまう」
空悟がいなくなれば、俺は自分の好きな事して野球だって続けられた。でもあいつがいるから…。
溢れ出る涙を止められない俺の肩に純太が手を置いた。