外に出ると、道に侍が立っていた。
「侍!?」
俺は慌てて侍に近付いた。
「俺、死んだんじゃなかったのか!?」
「ああ…。だが、一つの約束を思い出したから止めたでござるよ」
「約束?」
「海斗殿の母上との約束」
「母さん…?」
そして侍は静かに語り出した。
「母上の魂をあの世へ連れて行ったのは拙者でござる」
「……」
「その時、母上が言っていた。もし、自分の家族が死んだ時、その死が早過ぎるなら、どうかこっちの世界に連れて来ないでほしいと…」