何人かを巻き込む形で兵士は前につんのめり、顔面から真っ赤な砂地にダイブする。
持ち主から手放された槍がクルクルと宙を仰ぐ間に、ロキの素早い攻撃は更に多くの兵士に放たれていた。
目にも止まらぬ攻めの一手は、どれも強烈だが殴る蹴るといった体術ばかりで殺傷能力は無いに等しい。
握られた槍も時折振るうが、決して刃先を向けようとはしない。
剣を構えて突進してきた兵士の鳩尾に、柄の先で鋭い突きをお見舞いすると、ロキは踵を返しながら指笛を鳴らした。
後から続いて走ってきたレヴィが、背中合わせに槍を構える。
「…こんな時でも殺生は嫌か?……相変わらずの甘ったれ振りだな」
「うるせぇ。人の勝手だろ」
「…俺がいる時はそういうこだわり無しで本気でやれ。見ていて胸糞悪いからな」
さらりと心ない事を言われ、若干ムッとした表情で背後のレヴィに振り向いた途端……ロキの鼻先を、鮮やかな血飛沫が糸を引きながら掠めていった。
孤を描くレヴィの槍が、一度に数人の兵士の喉笛を真一文字に裂いていた。
鋭い刃先だけを、人間の急所に寸分の狂いも無く的確な一撃を浴びせていく。
レヴィの戦術は主に一撃必殺の形態であるため、そこに無駄な動きは無い。
目を白黒させながら出血の酷い喉元を押さえる敵に向かって、邪魔だと言わんばかりに回し蹴りを放った。
どうと倒れていく敵の姿は、溢れる鮮血で見る見る内に血達磨と化していく。
持ち主から手放された槍がクルクルと宙を仰ぐ間に、ロキの素早い攻撃は更に多くの兵士に放たれていた。
目にも止まらぬ攻めの一手は、どれも強烈だが殴る蹴るといった体術ばかりで殺傷能力は無いに等しい。
握られた槍も時折振るうが、決して刃先を向けようとはしない。
剣を構えて突進してきた兵士の鳩尾に、柄の先で鋭い突きをお見舞いすると、ロキは踵を返しながら指笛を鳴らした。
後から続いて走ってきたレヴィが、背中合わせに槍を構える。
「…こんな時でも殺生は嫌か?……相変わらずの甘ったれ振りだな」
「うるせぇ。人の勝手だろ」
「…俺がいる時はそういうこだわり無しで本気でやれ。見ていて胸糞悪いからな」
さらりと心ない事を言われ、若干ムッとした表情で背後のレヴィに振り向いた途端……ロキの鼻先を、鮮やかな血飛沫が糸を引きながら掠めていった。
孤を描くレヴィの槍が、一度に数人の兵士の喉笛を真一文字に裂いていた。
鋭い刃先だけを、人間の急所に寸分の狂いも無く的確な一撃を浴びせていく。
レヴィの戦術は主に一撃必殺の形態であるため、そこに無駄な動きは無い。
目を白黒させながら出血の酷い喉元を押さえる敵に向かって、邪魔だと言わんばかりに回し蹴りを放った。
どうと倒れていく敵の姿は、溢れる鮮血で見る見る内に血達磨と化していく。


