《TUNに…逢いたい》



あたしの頬に涙がつたう。



(あいつも同じ事言って

たな……)


《…グスン…あたし…待っ

てます…》



このまま帰る事など出来

ない。



(ここは会社の寮だから

すぐ退去させられるよ

櫻井からTABASA

さんの家に連絡が入る

かもしれないし…)



【グスッ…そんな……また

あそこに戻るなんて

…ズキン…】



《…あたし達…いつも…

すれ違っちゃうの…グスン

大事な時に…逢えない

…の…グスグス》



過去の悲しみが蘇る。



(……クリスマス?!)


《え?

知ってるんですか?!》


(知ってるよ!あの日は

TABASAさんの友達

が会社の前で待ってたん

だよ…)



【あ…雪だ…やっぱ…

ズキン…あの日は雪と会っ

てたんだ……ズキン】



(櫻井しつこくされてて

ね…断っても諦めてくれ

なかったみたいだよ!)


《え?!そんな話…初め

て聞いた……じゃあ…

ホテルに……ドクン》


(ホテル?あぁ…あれは

TABASAさんの秘密

を教えてあげるって言わ

れてビジネスホテルに呼

び出されたんだよ!)



【ズキッ……雪…そんな

事言ってたんだ…ズキン】



(その時にTABASA

さんが結婚してるって知

ったんだよ…)


《アノ……ドクッ…ドクッ…

TUNは…雪を…抱いた

ん…ですか…ドクン》



今…やっと…


あたしが知らなかった

TUNと雪の秘密が

明らかになる――――