《あっ…

この辺で降ります!》



以前と変わらないTUN

のマンション。



【ドキン……TUN

あたし…きたよ……キュン】



あたしの胸は高鳴る。


《すみません…櫻井さん

の…部屋の鍵を…》



管理人さんは愛想よく鍵

を渡してくれた。



エレベーターで上がった。



【キュン…TUNの部屋

入るの…久しぶり……】



カチャン……


《さっ…チビ太…入ろ》


[うん~]



【ドキン…ぁぁ…あの頃と

同じだ……キュン】



[ママぁ~ブーブ~]


《え?あれ?》



大きなカゴにたくさんの

オモチャが入っていた。



【キュン…チビ太の為に?

TUN…あなたが用意し

てくれたの?…グスッ

ありがとう…ありがとう

ね…グスグス】



TUNはずっと待ってて

くれたんだね?



チビ太が居なくなれば…

なんて本心じゃなかった

んだね?



[ママぁ~ごあん~]


《え?おなかすいた?じ

ゃあ~おかしたべる?》


持ってきたお菓子を

出した。


[わぁ~い~]


《そうだ~夕御飯作って

おこうかな!冷蔵庫に何

かあるかなぁ~》


小さな冷蔵庫を開けた。



【グスン…TUN…こんな

事まで…グスグス…あたし

TUNの本当の優しさに

気付くの遅過ぎたね…

ゴメンネ……ズキッ】



冷蔵庫の中にはあたしの

大好きな

苺のショートケーキ。



ジュースにお菓子。



そして

子供用の風邪シロップが

あった――――