「ずっと

騙されてたって訳か…

携帯もそいつの為かよ?」


《うん…そう…》


「持ちたかっただけとか言

ってたよな!もしかして

旅行もか?!」



【ビクッ……あたし…たく

さん嘘ついてたね…】



《うん…行った…》



バン!!!



硝子の

灰皿が壁に当たった。



【ビクン…ビクビク…】



《ゴメンナサイ……グスッ》


「そいつの

写真とか全部出せ!!」



【え?写真?…ドクドク】



ふたりの愛が詰まってい

る箱を取りに行った。



初めて逢った時の写真…

名刺…プリクラ…



そして



水色の鈴―――チリン……



【これだけは…キュン】



あたしは鈴を握りしめ

チビ太のオモチャに紛れ

させた。



ふたりで見つけた鈴。



ふたりを繋ぐ鈴。




これだけは誰にも知られ

たくない――――