【ドクン…ブルブル…】



ここで嫌だと言ったら怪

しまれるだろう。



ガチャ……



《……ハイ…》



【TUN…しゃべらない

で……ビクビク…お願い…

何も言わないで……】



受話器からは何も聞こえ

てこない。


「無言か?!」


パパがしびれを切らす。


《もしもし??》


「あーいい!貸せ!!

あんた誰だよ?!」



プツン……



「ふざけんなよ!!」



バン!!ガシャン!!!



パパが

電話機を壁に投げつけた。



【…イヤ…ヤメテ……もうやめ

てよ…TUN……こんな

事したって…仕方ない

じゃん…ズキッ…】



TUN?



今…あなたは何を考えて

るの?



何をしようとしてるの?




ただの脅かしだと甘く考

えていたけど……

まさか本気なの―――?