車のフロントガラスが

雪でうっすら

白くなっていた。



【ドクン…ドクン…TUN

どうしちゃったの…急に

何言ってんのょ…グスン】



TUNの

言葉が信じられなかった。



身体中の力が抜けて

車を走らせる事が

できなかった。


《…ぅぅっ……TUN…

グスグス……ずっと3人の

未来を…グスッ……ずっと

ずっと…夢みてたのに

ぅぅっ…ぅゎーん…》



運転席で

声を上げて泣いた。



泣きながら思い出すのは


TUNの


優しい声…大きな黒目


爽やかな笑顔…腕の筋肉


あたしに触れる手


あたしが包み込まれる胸



さらに涙が溢れ出した。



【ビクッ…ぁ…ビクビク

チビ太……ドクン…ドクン】



急にチビ太の事が心配に

なった!



【…ドクン…チビ太……】



雪の中…車を走らせる。




TUNの恐ろしい言葉は

あたしの母性本能を噴き

出させたようだ――――