パパが熟睡するのを待つ

しかなかった。



【TUN…きっと

今待ってるよね…ズキッ】



早くTUNに伝えたい。


パパが寝入ったのを確認

してソッと外に出た。



もう

後の事は考えなかった。



【ドクン…ドクン…】



車に乗って少し離れた

公衆電話に向かった。



【……TUN…キュン…】



外は寒くて

今にも雪が降りそうだ。


受話器を持つ手が

かじかむ。




プルルルル~プルルルル


《TUN?!》


『TABASA?

今どこだ?』


《家のそば……》


『なかなか出れなかった

のか?心配したぞ!

早くタクシーに乗れ!』



TUNは

まだ分かっていない。



《TUN…ごめん…今日

は行けない……旦那帰っ

て来ちゃって…今やっと

寝たから出てきたの》


『じゃあ…

そのまま来いよ!!』


《え?!だって

チビ太が……ドクッ…》


『ひとりで来いよ!

チビ太は後から迎えに

行けばいいだろ?!』



TUNの言葉が冷たく

感じた。



【チビ太を…

置いていく?ズキン…ズキン

チビ太とあたしが

離れる?………ズキズキ】




あたしは何を考えている

のだろう――――