昨日の無言電話で不機嫌

になりながらパパが出か

けた。



【…ぁぁ…あたしも出た

い…ズキン…でもパパがま

た怒る…恐いょ…ビクン】



あたしはTUNと逢えな

くなって臆病になった。



あんなに強くいられたの

はTUNとの時間があっ

たからだ…



【TUN……キュン…】



忘れていたドキドキが戻

ってきた。



【…ぁぁ…TUN…キュン

逢いたい…。あの胸の中

に戻りたい…ょ…ドキン】



今は雪の事なんかどこか

に消えていた。



受話器を取り何の迷いも

なくTUNの携帯番号を

押していた。



【ドキン!ドキン!ドキドキ】



『はい…』


《ドキン!!…モシモシ…》



停止していた心臓が動き

出したようだ。



『…TABASAか?』


TUNが静かに尋ねた。



【ぁぁ…あたしの名前を

呼ぶ…TUNの…声

嬉しい…ょ……グスン】



あんなに怒鳴られても…



雪と裏切りがあっても…



それでも……



そんなのが消えてしまう

くらい愛していた―――