窓の鍵に手をかけた。



ガタン!!



奥の部屋から物音が。



【ドッキン!…ゴクン……】



今ここで

パパに気付かれたら全て

が終わってしまう。



【開けちゃダメだね…】



鍵にかけた手をおろす。


『TABASA…』


かすかにTUNの声が聞

こえた!



【TUNの…声…ダ……】



硝子一枚を挟んで目の前

にいる。



【こんなに…近くにいる

のに…ズキッ……触れられ

ない…ナンテ……イヤ…】



これ以上どうにもならな

いのが辛い。


『ナクナ…』


ペタ!!



【ぁ…TUN……グスグス…

キュン…ウレシイ…】



硝子に写った大きな

TUNの掌。



TUNの右の掌…


あたしの左の掌…




月夜の明かりの下で

ふたつの掌が

重なった――――