咲が

帰ったのは夕方だった。



【フウ…やっと帰ったょ

疲れた…もうこんな時間

だ……TUNに電話できない

…ょ…ぉ…グスッ】



「ただいま~」


咲と入れ替わりにパパが

帰宅した。



【あぁ…また…

息が詰まる…ょ…ぉ】



まるで部屋という名の監

獄のようだ――――



チリン~チリン~~



【あれ?…鈴??】



かすかな鈴の音で夢の中

から目覚めた。



チリン~ジャラジャラ~



【あ…鍵の音……キュン

TUNだ…ドキドキ……間違

いない……ぁぁ……】



チビ太とパパが起きない

ようにソッと布団から

出た。



窓に人影が写っていた。



【ドキン!!…TUN

そこにいるの?…キュン】



窓を開けたい…


玄関から出たい…




またTUNのぬくもりを

感じたい――――