家の中はチビ太の声しか

聞こえない。



【息が…詰まる…ょ】



離婚話のタイミングが見

つからない。



プルルルル~プルルル~



【ドッキーン!!】



自宅の電話が鳴った。



【ビクッ…まさか…TUN?】



「はい?あ~帰ってきた

よ!代わろうか?!」



【?…誰??】



「おい!咲ちゃん!」



【え?!!咲?】



咲の名前を聞いただけで

イラついてきた。


《もしもし!》


「あ~帰ってたんだ?

今日もてっきり遊びに行

ってるかと思ったよ~」


咲の挑発的な言葉が連発

される。


《残念だったね~あたし

が居て?!咲が教えたん

だってね?》


怒りが噴き出す。


「あ~バレちゃった?

だって旦那~可哀想だっ

たからさ!ハハハッ」




咲の高笑いが受話器から

聞こえてきた――――