海斗は泳いでいるわけじゃなくて、静かに浮かんでる。 まるで、水面に抱かれてるみたい。。 横顔が…キラキラ光って見えた。 「…一位、おめでと」 茜からのメールに予選一位通過って書いてあったもんね。 届かない声だけど…それでもいい。 「!!」 次の瞬間、バシャンッと勢いよく水が跳ねる音がしたと同時に水しぶきが上がった。 海斗はまるで水面を滑るかのようにゆっくり、ゆっくり泳ぎはじめた。 その、ひとつひとつに目も、心も全てを奪われる。