誰もいないことにちょっと安心して、フェンス脇にあったアスファルトで出来た階段を上がる…。 登った先に私の目に映ったのは…… 「……」 陽の光を反射して、キラキラ光る水面。 かすかに吹いた風に、ゆらゆら揺れる水面。 息をする事さえ忘れちゃいそうなくらいのその蒼さに… あの日、初めて目を奪われた海斗の姿が重なる。 「…朝日奈、海斗」 ポツリと名を呼んだ その時だった…―――