こんな冗談まじりに笑顔で話しているのに チクリと痛くなる胸を なんと呼べばいいのか分からない。 「私はね、看護士になりたかったの。 将来の夢は看護婦さんって幼稚園の頃から言ってた」 「白衣の天使に?」 「そうそうっ。 病気でどんなに落ち込んだ人でも 魔法みたいに“ちちんぷいぷい”って笑わせてあげるの」 千雪がまるで絵本の世界で魔法をかけるように人差し指をクルリと空に向かって回したから、その指先を見つめた。 「今は?」 『なりたかった』 そう言った言い方は…過去形。