別に…用ってことでもないんだけど。

なんとなく…だ。


「もしさ…もしだぞ!?

結婚も決まってる兄貴にノンがずっと嘘ついてる事があったら…兄貴はどーする?」

「なに言ってんだ??」


ドアが開いて、明らかに呆れ顔してる兄貴。


「もしも、って言ったろ!?」

「例えが悪いんだよ、バカ」

「もしかして…焦った?」



オレがノンの兄貴も知らない秘密を知ったと思った、とか!!



「いや、全然」

「なんで!?」

「なぁ、海斗はさぁ
オレを風呂に呼びに来たんじゃねーのか?」


呆れ顔のまま、まだオレの頭からかかっていたタオルをひょいと取り上げられて


「ま、ノンが言いたくないならオレは知らんままで構わねーよ」

って、兄貴が言葉を続けた。