「あー、…ったく。
この、バカ」


さっさと家に入れよ。


「…か、いとっ!?」







――…兄貴から聞いたことがある。

水泳を辞めると言ったオレを唯一止めなかった兄貴。


親父や母さんや学校の担任や後輩たちがうっとうしくて学校を休んでリビングでゲームをしていたオレに、兄貴が話かけてきた。




『なぁ海斗』

『あ゛?兄貴まで説教かよ』

『まぁ、落ち着けよ。父さんや母さんの気持ちも分からんくないけど、説教なんてしねーよ。

オレ的にゃ、お前が決めたんならいいんじゃね?って感じだし』


『うっせーよ。他人事かよ』



オレの気持ちも分かってねーくせに。