「ここ。私の家」
千雪が指さした家は
まるで絵本から飛び出してきたかのような白い外壁に朱色の屋根の一軒家。
「でっかい家だな」
オレんちの二倍はあるな。
「送ってくれてありがと」
「あぁ、大丈夫」
「じゃ、また明日ね」
「また明日」
「気をつけてね」
「迷子にはならねーよ」
クスッと笑って手をふりながら家の門をあけた千雪を見送ると、
オレも家に帰ろうと来た道を歩きだした。
「………」
数歩進んだ所で、すぐに振り向いた。
実際、名を呼ばれたわけじゃないけれど…
呼ばれた気がした…なんて、意味分かんねーかな。。
けど……



