今のオレが、唯一知ってる事。 それが、名前。 それしか知らねーなんて、ありえねーと思うけど ホントに知らないものは「仕方ない」だろ?? 「ったく…。 ほら、映画行くぞ? ……千雪」 「うんっ!!!」 千雪。 そう呼べば屈託のない笑顔で応えてくれる。 そんな些細な事にハマっていったのはこの時からだった。 「…千雪」 「ん、なに??」 「いや、なんでもねぇ」 「なによ~!?」 「なんでもねぇってんだろ。 ほら、うろちょろして迷子になんなよ?チビなんだから」 「チビじゃないもん!!」