煙草のくゆる煙を、あの桜の樹の方へ向け、 「先に、あの桜で待ってる」 そう言って、リツに背を向け歩き出す。 「まだ五時まで、時間あるよ?」 何でもお見通しのサクヤさん。 知らないフリをしようと必死になりながらも、 泣いていた弱さも、 流れにまかせて、 自分で考える事をやめようとした、ズルさも、 見逃してくれないんだね。