洋二を家に送り、俺と雅人は勉強道具を取りに帰った。

そして、胸を時めかせ洋二の家に戻ってみると雅人のサンパチがあった。

雅人もう来てんのかと思いながら家に入り「こんちは~、おじゃましま~す」と階段を駆け上がった。

洋二の部屋のドアを開けると美奈が一番に目に入った。

やっぱり可愛い。俺は胸の鼓動が高鳴るのがわかった。

美奈の横に始めて見る子が座っている。

雅人はその子とすでに仲良くなってて結構話が弾んでいた。

おっす、と中途半端に手を上げて挨拶すると美奈が隣の子を「私の友達の美佐子」ミサ
って呼んであげて。

俺、隆史。タカでいいよ。

ミサはどちらかと言えば痩せて綺麗タイプの女の子だった。

俺は頭をかきながら軽く会釈をして雅人の隣に座った。

すると雅人が小声で「いつものタカと違うぞ、ミナってこの子だろ?」と聞いてきた。

「そう、そう」

「洋二の彼女じゃねぇか」

「そうなんだよな~」と俺はガクッとした。

すると美奈が「何をコソコソ話てるのぉ~?」ミサも「何かおかしいよね~」
と二人で「ね~」と言って頷きあっていた。

「内緒だよな!」と雅人が俺の目を見てワザとらしく言ったのでわき腹にちょこっとグーパンお見舞いしてやった。

そして雅人のグーパンのお返しからグーパンの応酬になった。

じゃれ合ってる俺達を見て美奈達はクスクス笑っていた。

呆れ顔で見ていた洋二が「せっかく彼女達が来てるのに仕方のね~やつら~。

だから「女にモテね~んだよ」言う言葉に、俺達はグサッとクイを打ち込まれたようにストップして動けなかった。