そりゃあ俺もIちゃんはワガママだと思う。
ワガママ女のおもりをしなきゃで、自分が我慢ばかりするのは不快だと思う。
ご主人もみんなのように、当然Iちゃんをワガママだと思っていた。
だが、《あんな女王様キャラになれて良いなあ》と憧れていた。
ワガママに振る舞うって他人の目を気にしたら、やろうにも出来ないだろう?
Iちゃんの言動が羨ましかった。
特にご主人は“モテとは〜”の思考だから、余計に他人を振り回すワガママ女王になるのは無理だから。
ワガママに振る舞えるって、許される人でしか成立しない。
嫌われて終わりだから。
Iちゃんはなんだかんだで、みんな許す感じで。
結局ワガママなIちゃんをみんなどこかで好いていて。
しかし、それが今回崩壊したみたいだけど。
崩れる時って呆気ないよね。
乙女に焼いたショートケーキを慎重に持ち運んだはずなのに、
なぜかぐっしゃぐしゃになっていたり。階段もバスに乗る時も注意したのに脆い。
なにもかも変わる。
恋に魔法、イジメにも魔法。
平成の女子高生は魔法使いだな。



