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…

むかつくなんてない。
ただなんとなく鼻につくだけ。自分より目立つ感じがなんとなく羨ましいだけ。


　さよならさよなら目障りなの
　早く消えてくださいな

悪口を言って嫌いなあの子の評判を落とす、友達はごっそり奪う。

イジメてなんかいない、“一人ぼっちが似合う子”にするだけだ。


　私は悪くない
　私はイジメてない
　みんな悪口言ってるもん
　結局嫌われる子なんだから
　嫌われる本人が悪い

罪の意識なんてない。イジメている自覚なんてない。

自分が彼女より教室で支持される人なのだと確認したいだけ。

一人のあの子に、周りに友達を集められる自分との“差”を、見せ付けたいだけ。

　イジメられるあんたと
　教室の中心が似合う私
　
　私悪くない
　皆がイジメてるのは
　親友がいないあんたの自己責任
　友達の居る私と居ないあんたの差

くすくす笑って、みんなで笑って。一人ぼっちのあの子が消えるのを待つだけ。



イジメられる原因があったとしても、そんなものイジメが始まれば関係ない。

ＡちゃんＢちゃんＣちゃんＤちゃん…たくさん居た。

理由なんてない。
“一つ”気に入らないところがあれば、“その一”を証明する為に、

“十、二十”と悪口の元ネタとなる“原因”が、あっと言う間に増えるのだから。

始まってしまえば、“誰か”が“イジメられる理由”なんて、意味ない。

いくらでも後付け出来るのだから。

原因なんて……女子の世界には関係ない。

だからニュースも道徳もトンチンカン。
【イジメられる原因がないのに、原因を探そうとしている】――



簡単な話。


透明なイジメは

誰かの心を潰すのだ。



それが自分があの子か…誰にも分からない。



ただ、それだけのこと。

それだけは、教室を生き抜くには、ひどく苦しいこと。