悲しい、辛い、苦しい、そんな自分の気持ちと、

クラスメートに対してムカつく、うざい、なんて思ったり。

早い話、学校に行きたくなくなる。



――それが、正しい女子のイジメ方。

………



わざわざ机に落書きなんてしないし、服を脱がして写真をばらまいたりなんかしない。

そんな風な、“わざわざ犯人が自分だ”なんて行動はしない。それはドジだ。

むしろ、自分が気に入らないあの子に“友達のふり”をして近寄り、

不満や辛さを聞き出してそれを“新たな悪口ネタとして仕入れる”為に話し掛けるくらいだ。

弱ったその子を助けるふりをして、本当は味方なんかではない。

その癖、あの子は一人ぼっちだからそんな自分を頼ってくる。見る目がないと思う。

せいぜい陰で嘲笑うくらいだというのに。


そんな風にして、ただただ精神的に存在否定。にこにこと、さよならを待つ。

それがきっと賢いイジメ方。

それが教室のリアル。汚い女の世界のおおよそ全て。


そしてまた、ほんの一例。

……


いつの間にか弾かれた子が居た。なるほど、彼女はみんなに嫌われているようだ。


 可哀相な子…
 私じゃなくて良かった

ならば自分は仲良くしたくない。一緒に居てとばっちりを受けたくない。

安全策は彼女の悪口を言うことだ。

一緒になってつるんでおけば、自分は大丈夫だから、彼女は身代わり。

どうぞそのままターゲットで居てください。


怨まないで、みんなに嫌われるあなたが悪いのだ。


 “私悪くないのに”なんて発想で
 被害者面しないでよね

 嫌われるあんただって
 悪いって気付きなさいよね

 もちろん私は悪くない

 被害者ぶるあんたが悪い

 ターゲットにされるあんたが悪い


そんな風に、自らを守るために加害者に加わる人も居る。

これは事実、笑えない危機的管理能力。



そして―――