俺こそが、ちゃんと教えてあげなきゃだ、“本人”に。
他の子はグループ外からお呼びがかかることは少ないけど、
なぜかご主人は確かに誰からも気軽に話しかけて、遊びにも何かと誘われていた。
――【ファッションによる女子の階級にとらわれずに幅広く】ね。
だけど、それは―――本当に好かれていたから、じゃない。本当に仲良しだからじゃ、ない。
――この際、ハッキリ言おう。
【都合が良い】からだ。声をかけやすいのは、【自分って言う核のない女】だからだ。
――つまり、【人に合わせて染まるズルイ奴】だからに違いない。
そう、一ページ前までは、ただただ【美化していたお話】だと思うんだ。
――だってご主人は、ずっと【クラスメートを無意識に馬鹿にしていた】に違いない。
《客観的な私ってナイス》
《冷静な私って大人》
――そんな風に【クラスメートと自分を比べて嘲笑っていた】に違いない。
…そんなことを、今なら俺は思う。
少し逸れるんだけど、街中でアホやってる若者を、『くだらないな』と煙たそうに言う大人と、
『楽しそうだな』と心の中で懐かしんで少し微笑む大人の【ツーパターンのタイプが世の中に居る】
前者は【学生時代に“一緒にバカになった思い出がなかった人”】の場合が多い気がする。
後者は昔ヤンチャしてた人の場合だろう。
そう、前者は【客観的とか冷静とかではなく、“小心者”なだけ】ではないのだろうか―――
――と言いいますと…



