なんだかんだ平凡に中学生も楽しかった。そう、【部外者の立場では平和だった】
――そして春から女子高生。
よく“高校デビュー”って言うだろう。それは【外見からのキャラクター変更】
そうじゃなく、ご主人は《“性格デビューしたい”な》と、思ったんだ。
…って、意味不明だな。
早い話、高校生になるのを機に、丸々【女子を放棄しよう】と思ったんだ。
中学のご主人は【たくさん女子の悪口をウンウンと頷いて聞いた】し、
【イザコザを見て遠巻きに笑っていた】し、隠れ【ビッチだった】――
それは【無意識に女子の世界に浸かっていた】から。
だから、女子高生になったら《“いい人”になる》と、決めたんだ。(変な決意だよな…)
中三の時の【殺伐とした空気を変えるムードメーカーの人に影響を受けた】んだ。
新人歌手が偉業を残したアーティストのリスペクト話をするように。
――あの人みたいに《変わりたい》と思った。
友達とは何をもって友達なのか――なんて深いこと当時は考えていなかったけど。(……悩み事はバイト何しようかな、だったから…)
単純に、【女子高生になったら悪口愚痴噂話は要らない】、【負の会話は必要ない】と思った。
《ケンケンせずに楽しいだけで居たい》、と。お気楽な女子高生になりたかった。
――【ジメジメした女子の縄張りから離れたい】と思ったんだ。
お忍びで来日した有名海外俳優みたいに、誰にも気付かれないように。
――ひっそりと【女子の国から逃げよう】と決めた。
パスポートも持ってないから違法だね、密入国だ。…歯医者に行く時はどうするんだろう、なんて。



