カーテンを閉めると、たちまち魅惑のプチパーティーが開かれるらしい。

床にしゃがんでドアに見張りをつけて。…厳重過ぎて逆に怪しい。


なんとなく《嫌だな》とご主人は思った。

手紙は秘密なんだから読んだらダメだろうと。(……少しはいい子ちゃんの時代もある)


一方で、【簡単にクラスメートを裏切れるのが女子】なのだと、この時に歪みが生じた。

絶対、たぶん。…“透明な俺”が顔を覗かし始めたのだから。


だから『眼科行くんだった』と、嘘をついて逃げました。

……この頃から既にヘタレは完成され、【弱虫まっしぐら】だったんでしょう。

そう、正義を手に“いけないよ”なんて【注意出来ない】んだ。

だったら先生に報告をすれば良いのに、《告げ口してバレたら怖い》と、自分の安全を確保する方を選んだ。

(自己防衛意識だけは優れてるよな、ここまで完璧なら立派だ。負の名誉を授けよう)


“読まれた人が可哀相”だとは思うけれど、気遣う余裕はなかった。本当に悩み事を書いていたら…?


――【女子の汚い現実から逃げた】んだ。今と何ら変わらないご主人。

嫌な事はうやむやにして逃げる。逃げることは楽だけど、成長なんてしないのに。


長縄でひっかかったら、すぐに足を退かし、『私じゃないよ?』と、しらばっくれるタイプのはず。どうしようもない人。