多分、俺が思うに先生はわざと鍵を付けなかったんだろうなと。わざと読めるようにしたんだろう。

ご主人たち生徒を【試していた】んだと思うんだ。

ミニスカートを履いて満員電車痴漢のおとり捜査みたいな感じで。


そんなポストが設置されて一日、仲良しの子に『かーえろ』と言ったら、『主人ちゃん、ちょっと遊ぼうよ』と。

(仲良しメンバー六人だったろうか、覚えてないけど)


その時、ポストを開けようよと言われて――…


先生への手紙。
最初はみんな書きなさいと強制で(多分誰でも書きやすいように)、

思い付かなかったご主人は、『給食はミニトマトを一つに減らしてください』、

『ゴハンがぬるい。牛乳もぬるい。かす汁が食べれない』みたいな意味不明な手紙を書いていたはず。


まだ無邪気な年齢なので、深刻な悩みはなかったらしく、やっつけ感覚で書いたんだ。

(完璧に頼む人を間違えているけど…。どうやら頭があんまり良くないようだ)

それはおいといて。


――【人間性をチェックされる】誘惑ポスト。

しちゃいけないって分かってる、浮気の手前みたいな葛藤。