つまり、ご主人は何事も“ゆるい笑い話で結論づける女”だと認識されていた。
それはクラスだと安全なキャラクターとして位置してたんじゃないかな。
だから嫌味を混ぜて笑いながら本音を隠して言っても、
目くじら立てられないタイプだったように思う。
なぜなら面白く崩した口調だったため、“得するずる賢さ”を持っていたせいだ。
そして――
翌日、Aちゃんが『おはよう』とご主人たち、元祖2番目グループに来た時に、
素っ気なく挨拶を終えて、元祖組は“どうしよう”と目で会話をしてた。
既に1番目グループと密約は交わされています。
今更Aちゃんと仲良くするのは寝返りであってボスへの裏切りであって、同じグループで行動するなら【今度は自分たちの首が危なくなる】んだ。
チャイムに助けられたものの、これから先は厄介だった。
散々くだらないと馬鹿にしていたご主人も、自分の身に危害が加わりそうだから真剣に悩んでるみたいだ。
ご主人のモットーは、いかなる時も女子高生らしく振る舞うこと。
『女子高生』と辞書をひけば、
『何にでも笑い、オーバーリアクションのお気楽主義な女子生徒』と、説明されるべきである。
だから、ご主人の持論だとイジメなんて単語は女子高生に必要なくて、
とりあえず悩み事はと聞かれたら、彼氏出来ないことか、彼氏が冷たいことと答えるのが完璧な感じで、
ゆるく毎日楽しけりゃあ最高な青春だった訳だ。
それが崩れかけそうな今、非常にご主人は困っていた。



