そんなややこしくも重要な事態に巻き込まれてる癖に、
ご主人は《女子って陰湿だなー怖ーい》と、第三者ばりに思いながら、
ニコニコして『ちゃんと牛乳飲んでるー?』と、言った。
――《イライラしてますよ》の含みを込めて。
要するに1番目グループに対する嫌味だ。見えない牽制。
正直、こいつは性格が悪いのか、実は良いのか…思ったり。まあ、悪いけど。
ご主人はCanCa○もろに意識した格好なのに(不細工だから似合ってないけど)、
自虐ネタや笑い話をするフランクなノリが好きなので、
クラスではお笑いオチ担当みたいな感じだった。
とりあえずぺちゃくちゃ喋って、クラスの笑いをとる女。
授業の進行に得意げに茶々を入れる奴って居ただろう?あんな感じ。
言い換えれば“ウザキャラ”でもあるけどー……って、ご主人に怒られるから、ここは“面白キャラ”と説明しておこう。
聞こえよく捩曲げてあげる俺って、本当に紳士だな。
そんなご主人は話す時にはオチを必ず付けていた。
とにかく起承転結の最後は笑えるように、ユニークがモットーだった。
相手を笑わせたいと言うサービス精神よりは、皆から“面白い人”だと思われたいと言う自分本意な感じだけど、
とにかく使い分ける悪口のオチにしろ、自分の自虐ネタでしめるように決めていた。
だから、例えば学校での愚痴も不満も悪口があっても、
自分で落とすオイシサがないなら、バイト先の人には言わなかった。
それは善意ではなく、あくまで自分が楽しい人だと思われたいからで、浅はかな思考なんだけどね。



