きっと私は被害者に百パーセント同情できないし、たぶん加害者に百パーセント同情できません。
曖昧で――
良い悪いが、よく分かりません。
つまり―――
自分がどこに感情移入するかで、事柄は大きく色を変えます。
殺人未遂は殺人未遂。殺人事件は殺人事件。
何も変わらないのに、人間の心が色を付けたがります。
凄く遠回りで、漠然とした例え話になりましたが、
【イジメだって犯罪と一緒】ではないでしょうか。
立派に【イジメは心を殺す】んです。殺人です。
だとしたら、私はたくさんの人を見殺しにしてきたのでしょう。
見て見ぬふりをして――
崖っぷちまで追い詰めたのはイジメっ子かもしれないけれど、
崖にしがみつく人を最後に見殺しにするのは、
【部外者ぶる私たち】だったんじゃないでしょうか。
自分の手を差し延べない。
ただ見ていて…、力尽きて落ちていくのを、ただ見てるだけ。
それが退学だったり登校拒否だったり、そして【目に見えない“心に傷”】を付けたり――
…なのに、とことん勘違いしていました。



