三人家族の温かな家庭があったとします。
子供は小学二年生の可愛い盛りの男の子です。
ある日、とある男の子が帰ってきませんでした。
殺人事件でした。
犯人は犯行当初精神が崩壊していました。罪は軽くなるようです。
『罪なき人を殺すなんてけしからん』とお茶の間は思いました。
『我が子をかえして』と被害者の家族は嘆きました。
あの時、犯人は家庭を想うあまり一心で―――
そう、被害者の男の子は、犯人の息子をイジメていたのです。
犯人の息子は自殺をしたのです。
だから父親は―――
怨んで仇討ち。だからってNGでしょう。
けれど“あなた”は百パーセント被害者は被害者だと言えますか。
加害者は加害者だと…。
もちろん、犯罪は犯罪です。罪があります。
しかし背景を知るとややこしい。理由を知る前のように簡単には語れなくなる。



