だとしたら。
後数日もすれば、このイジメはなくなるのかもしれない。
何もJちゃんの生活範囲は学校だけじゃないんだ。
アルバイトや地元の友達が居るなら、高校の友達がアレにしろ、
べつにJちゃんさえ平気ならそれで良くて―――
そもそもイジメに凹むなんてJちゃんらしくない。
Jちゃんは低レベルなことは気にしない女なんだから。
ご主人は笑いながら、ぼんやりと空を見た。
俺が記憶してる中で、この人が空を見上げたのは、
今日と、中学と小学校の卒業式と運動会の日くらいだろう。
ロマンチックではないから、空とか見上げない女。自然に情景を感じない女。
記憶してる中で、一番真っ青な―――秋特有の高い空だった―――
綺麗な青。



