ある日の放課後Aちゃんには先に帰っていて、

元祖2番目グループの友達と、普通にトイレでコテを温めていたら、

1番目グループにご主人たちは話し掛けられたんだ。


『Aちゃん合わないでしょ、つまんないでしょ?』みたいに。


正直、ご主人は性格が天使ではないので、《めんどいことになりそう》と、舌打ちしたい気分だった。


そうしたら案の定、ニッコニコ笑顔の1番グループに、

Aちゃんの悪口をひたすら聞かされることとなった。


普通は悪口に嫌だなとか思うんだろうけど、

その時、情けないことにご主人は《そんなことより髪を直したいんだよ、今日はデートなんだから》と、ただただ思ってたんだ。

聞き流して鏡の中を見ていた。



そうです、ご主人は別にAちゃんにも1番グループにも、興味がなかったんだ。

他人事。無意味に幼稚な人たちの揉め事で、自分には関係のない世界が狭い奴らの暇つぶし。

だから頭の中に現れるAちゃんや、1番目グループの存在は重要ではなかった。

――単純に【イジメに興味がなかった】



興味があるのは、プリクラを撮る時にキメ顔をしたら確かに可愛いけれど、

詐欺プリは叩かれるから、あまり目力を入れない方がいいか――ってこと。

ゆるゆるなネタに夢中だった。
人の愚痴を聞く時間があるなら枝毛を探す方が有意義だと考える浅はかに自己チューな女だった。